不動産を売却するとき、土地の「境界」が曖昧なままだと後々トラブルに発展する可能性があります。そんなリスクを回避するために行うのが「境界確定測量」です。この測量は、土地の境界を明確にし、売買の対象となる範囲をはっきりさせる作業です。
今回は、不動産売却時に欠かせない境界確定測量について、分かりやすく解説します!
境界確定測量とは?
境界確定測量とは、土地の境界を現地で測量し、隣接する土地の所有者と合意のうえで明確にする作業を指します。これにより、土地の範囲や面積を確定し、売買契約に必要な正確な情報を提供できます。
境界確定測量を行う理由
境界確定測量は、以下の理由で不動産売却時に必要とされます。
1. 隣地所有者とのトラブル回避
境界が不明確なまま売却すると、隣地の所有者が「境界が違う」と主張してトラブルになることがあります。測量を行い境界を確定させることで、このようなリスクを回避できます。
2. 正確な土地面積の把握
測量により土地面積を正確に算出できます。これにより、適正な価格で土地を売却できるようになります。
3. 買主への安心感の提供
買主は、土地の範囲や面積が明確になっていると安心して購入できます。境界確定測量を行うことで、スムーズな売却が可能です。
境界確定測量の流れ
境界確定測量は、以下のステップで進められます。
1. 専門家への依頼
測量士や土地家屋調査士に依頼します。この段階で、土地の資料(登記簿や公図など)を確認し、事前準備を行います。
2. 現地測量
測量士が現地で測量を行い、土地の境界を確認します。必要に応じて、法務局で取得した地積測量図と比較します。
3. 隣地所有者との立会い
隣地所有者に立ち会ってもらい、測量結果を説明します。双方が境界線に同意した場合、境界標を設置します。
4. 書類作成
測量結果をもとに、境界確認書や測量図を作成します。この書類が売却時の証拠となります。
境界確定測量の費用
境界確定測量にかかる費用は、土地の広さ、隣接する土地の数、地形の複雑さ、隣地所有者との関係性などによって異なります。具体的な金額は測量を依頼する専門家によっても変動しますが、約数十万円程度が一般的な目安とされています。
また、以下のような場合には追加費用が発生することもあります
• 測量が難しい場所や条件(急斜面や不規則な形状など)の土地
• 隣地所有者が多数いる場合
• 隣地所有者との合意が難航し、複数回の調整が必要な場合
正確な費用については、測量士や土地家屋調査士に相談して見積もりをもらうことをおすすめします。
境界確定測量の注意点
1. 隣地所有者との協力が必要
境界確定測量では、隣地所有者の同意が求められます。事前に丁寧な説明を行い、協力を得ることが重要です。
2. 境界線が法的な筆界と異なる場合がある
境界確定測量で確定した線が、必ずしも登記上の「筆界」と一致するとは限りません。必要に応じて「筆界特定制度」を利用することも検討しましょう。
3. 売却を急ぎすぎない
測量には時間がかかる場合があります。スケジュールに余裕を持って計画を立てましょう。
境界確定測量を怠るとどうなる?
境界確定測量を行わない場合、以下のようなリスクが発生します。
• 隣地所有者とのトラブル
売却後に「ここは私の土地だ」と主張されるケースがあります。
• 買主との契約トラブル
買主が測量を求めた場合、測量が完了するまで契約が進まないことがあります。
• 売却価格の低下
境界が不明確な土地は買主にとってリスクが高く、価格が低くなる可能性があります。
まとめ
不動産売却時に境界確定測量を行うことは、売主・買主双方にとって多くのメリットがあります。少し費用や手間はかかりますが、後々のトラブルを防ぎ、安心して売買を進めるために欠かせないプロセスです。
土地の売却を考えている方は、まずは測量士や不動産会社に相談し、適切な手続きを進めましょう。境界がしっかり確定された土地は、買主にとっても魅力的で、取引がスムーズに進むこと間違いありません!